この度、第33回リザーバー研究会を平成20年11月14日・15日の両日、福岡県福岡市の国際会議場で開催させていただくことになりました。皆様、よろしくお願いいたします。
私がリザーバー研究会に初めて参加しましたのは1994年、今から14年前のことです。当時私が在籍しておりました久留米大学第二内科の血管造影グループでは、進行肝細胞癌治療としてのリザーバー肝動注が恐る恐る始まったばかりでありました。リザーバー研究会の創生を担われた諸先輩の予想もしなかった激しいディスカッションや憧憬の深いご意見に驚愕し、私のリザーバー動注がいかに稚拙であるかを痛感すると共に、自分の真の目標を発見した喜びを思い出します。研究会の参加が契機となって肝動脈リザーバーにのめりこんだ私にとって、今回の当番世話人はここ10年間における目標の結実であります。全力で取り組んでまいります。
さて、皆様もご存じのように、数回前からリザーバー研究会は大きな岐路に立っております。それは欧米のエビデンスに支えられた進行性大腸癌の全身化学療法が「黒船」となってもたらした大きなうねりであり、それを「動注化学療法の斜陽」と感じられている先生方も多いのではないでしょうか?オンコロジーをつかさどる者にとって「生存率」は避けることのできない最重要課題であり、その部分に優秀な現在の全身化学療法を否定することなど不可能なわけですが、長い間「リザーバー」という言葉が動注療法に特化したものと考えマニアックに手技を追求してきた者(つまり私のような者)にとって、昨今の傾向は忸怩たる思いであります。今回の研究会では全身化学療法の最新の動向を学ぶセミナーを設けるとともに、「経動脈性治療」の素晴らしさを再認識できるような内容にできればと考えております。「動注リザーバー」を愛しておられる諸先生方、症例報告で構いませんので遠慮されずにたくさんの演題をお願いいたします。ポスターシンポジウムも予定しております。第一日目の夕方にワインとオードブルを付けて開催いたします。
今回のポスターとホームページに採用した風景は、那珂川から撮った福岡中洲の夜景です。11月の福岡は暑くもなく寒過ぎることもなく、ふぐ料理やラーメンも美味しく、足を延ばせば大宰府や志賀島など見どころも多く、先生方にはきっとご満足いただけると確信しております。どうぞ奮ってご参加ください。
第33回 リザーバー研究会 当番世話人 板野 哲