臨床試験について

中心静脈ポート

中心静脈は、上半身あるいは下半身の血液が心臓(右房)に戻る過程で合流し、上大静脈あるいは下大静脈となって、右房に注ぎ込む部分をさします。
この部分は、末梢血管に比べ血管が太く、また、大量の血液が流れているため、注入した薬剤により血管壁が刺激を受けにくいという特徴があります。
このため、中心静脈は、刺激性の強い薬剤や、薬剤の連続的な投与、あるいは大量の輸液などに適しています。
しかしながら、中心静脈を直接穿刺することはできないため、この部位に薬剤を注入するためには中心静脈までカテ−テルを挿入する必要があり、薬剤投与を繰り返し、あるいは長期に行うためには、中心静脈に留置されたカテ−テルにポートを接続して、すべてを皮下に埋没した形で使用されます。

一般には、この中心静脈に挿入されたカテ−テル、ならびにこれと接続されて埋没されたポートとを総称して、中心静脈ポートと呼ばれています。